「おとりよせネット」「レシピブログ」「朝時間.jp」 といった、女性をメインターゲットにしたサイトを運営するアイランド株式会社 社長の粟飯原氏。ネットベンチャーの社長然としたところがなく非常に柔和な人柄。その一方で、時代のニーズを読み取る嗅覚とそれを事業化するビジネス感覚を併せ持つ女性社長にしゃちょーが迫った。
これだけ時代を捉えていて、サイトもうまく行っている中で、こうして粟飯原さんと話をしていても、いわゆるベンチャー企業社長に感じるギラギラ感があまりなかったりするようにお見受けするのですが、一方で会社とか起業に関してはどう捉えていらっしゃるのか、お伺いできればと思っていたのですが。
そこは私も今は勉強中で。。もともとおとりよせネットというサービスありきでアイランドを立ち上げていたので、始めのうちは自分の署名に会社名すら入れずに、『おとりよせネット』という表記だけ入れていたりと、とにかくおとりよせネットを育てることに注力してスタートしたこともあったので、アイ ランドという会社をどうしたいかってことをあまり考えずにいたんです。でも、ある時アイランドのスタッフと一緒にとある会食に出たとき、そのスタッフが 『私はアイランドの人間ですから』という言葉を口にしたんです。その瞬間に実は私自身、すごくびっくりしたんです(笑)。会社として認識してくれているんだ、ってことをその時に感じて、そこから会社の理念やチームのあり方、会社としてどういう人材を求めていくか、というものをすごく考えるようになりましたね。
いわゆるネットをベースにしているベンチャーは規模の拡大や事業を一気に立ち上げて取捨選択していく、という傾向が多いと思うのですが、私にはアイランドはじっくり腰を据えて絞り込んだサービスを立ち上げて、しかもそのサービスが的を得ていて外れていないように見えているんです。それもベンチャーのひとつの目指すべき本質なのかなって感じているのですが、その辺りは意識されていますか?

確かに色々なサイトを立ち上げたいと思っているのですが、1個1個のサイトをすごく丁寧に育てたいという意識があるので、結果的に広がったということになるよう、今は目の前のことに一生懸命取り組んで行きたいと思っています。
一つのものを丁寧に育てて行きたいというのが粟飯原さんのポリシーということですね。
サイトはそれぞれが生き物だと思うんです。そうなるとやはりじっくり育てるということも大事なのかなって思っています。
では、これだけ時代のトレンドを捉えたサイトを立ち上げられている粟飯原さんにアフィリエイトについてお伺いします。作っても誰も見てくれないというモチベーションが持続しないということがあると思うのですが、その辺りを粟飯原さんはどうするべきと思われますか?
まずは、ひとりでやらないことですね。私も一人でやったサイトって、なくなっちゃっているんですよ(苦笑)。誰かと一緒にやって、いついつまでにコンテンツをアップしようね、という共同(協働)の作業というのが一つのモチベーションになると思うんです。分担を決めて、お互いを褒めあうというのが大事かなぁって(笑)。後もう一つがリズムを決めるってことですね。いつでも更新できるって言うのは、いつでも更新しないってことだと思うんです。週に1回、月曜の朝8時に更新する、っていうようにリズムを決めれば更新を続けられるかなって思います。あとは、人から求められているものを作るか、もしくは真逆で、自分が大好きで大好きでたまらないものを発信し続けるか、だと思います。
絞り込むって大事だなって思うんですけど、どうやって絞り込むかっていうのもまた難しいですよね?例えば、私自身はダイビングが大好きなのですが、 ダイビングに関するサイトやブログってものすごくたくさんあって、自分がダイビングのブログをやるにあたってどうしようかなって悩むんです。
逆説論かもしれないけど、自分の中でコンテンツを絞り込めるものを選ぶって言うのがポイントになるのではないでしょうか。例えば、お菓子のサイ トを立ち上げようと思って、毎週お菓子の情報を発信しようとすると漠然としすぎて自分の中で整理が付かなくて継続しなくなってしまうってことがあると思うんです。でも、チョコレートに関するサイトを立ち上げようと思って、毎週1個、コンビニで見つけたチョコレートの情報を発信しようと思えば、コンテンツが思いつくから更新を続け、自然と意識もそこに向きますよね。

なるほど、継続性のあるテーマに絞り込むってことですね。アフィリエイターの方にも参考になると思います。ところで、最近アフィリエイトは一時期みたいに楽をして儲かるというお小遣い稼ぎという風潮は消え、やって楽しもうというフェーズなりつつあります。そういう意味で自分の紹介する企業と関わっていたいという願望をうまく埋めるツールになりつつあるのかなって思うのですが、その辺りどうお考えでしょうか?
レシピブログでお料理のレシピをあげていた方ってお料理が好きでやっていた方々ばっかりなのですけど、TOP20くらいの方々は皆出版社さんからお声がかかって本を出されているんですね。そういう姿を間近に見ていて、本当に好きなことを一生懸命やられている方ってこうしてスターになっていかれるんだなって感じたんです。このことってアフィリエイトでもいえると思うんですよね。
そうなると、もはやアフィリエイターってくくりではないのかもしれないですね。情報発信者としての意識をもってやっていくことが重要になる、と。
そうですね。それが、アフィリエイトというツールを通じて報酬という形で評価されるので、どんどん情報発信力が磨かれて賛同者が増えていくのだと思うんです。
アフィリエイトは情報発信力を鍛える道場みたいなものだということですね。では、最後に粟飯原さん個人としての将来の方向性をお聞かせ下さい。
憧れの大人の方が結構いるのですけど、大橋歩さん というイラストレータの方みたいな生き方って素敵だなって思っています。戦後のイラストレータ の第一人者とも言える方でずっと第一線でイラストをやられて来られた方なのですが、あるときこんな雑誌を作りたいと思い立たれて手作りで「arne」 という雑誌 を作って自分で書店を回って置いてもらっていたそうなんです。その雑誌はすごくヒットしているのですが、自分が楽しいなって思うことで自ら動けて、しかも時代にきちんとはまっていることってすごいなって思うんです。そういう風になれたら素敵だなって思いますね。
自分が楽しいと思っていることと、時代の空気が合致することって難しいと思うのですが、粟飯原さんはもう直前まできているようですね。一方でアイランドの今後についてはいかがでしょうか?
自分たちが楽しいと思うことをビジネスで実施していけるというのが大事だと思っています。場を創造し続けるというのがコーポレートポリシーなのですが、場を創造し、育てて生き続けられるサービスをこれからも発信できればと思っています。
今日は本当に楽しく有意義なお話を、ありがとうございました。
花崎締めのコメント:
仕事柄、これまで多くのベンチャー経営者の方々にお会いする機会がありました。その中で、粟飯原さんほど、(失礼ながら)経営者然としておらず、自然体な"社長"さんはいません。ネット系ベンチャーというと、とかく「スピード」と「規模の拡大」が"成功"の必須条件であるという風潮の中、粟飯原さんは決して必要以上に急ぐことなく、いわば"巡航速度"で歩まれてきたように見えます。その粟飯原さんの"速度感"とは、恐らくちょっとした風景や日常生活の変わり目をしっかりと見つけられるような、結果として、社会のトレンドや風潮の変化のサイクルとぴったり合っているスピードなのではないでしょうか。
粟飯原さんが、常に「トレンドの創出者」足り続けているひとつの理由がそこにあるような、"自然体な"インタビューを通じて改めて実感しました。
追伸:個人的にも「朝」が大好きな私。是非「朝時間for men」をスタートしていただき、「朝ハンサム(死語)」を目指したいです。
アイランド株式会社| 代表取締役: | 粟飯原 理咲(あいはら りさ) |
| 資本金: | 1600万円 |
| 事業内容: |
・WEBを活用したコミュニティメディアのデザイン ・企業-生活者間のWEBコミュニケーション設計 ・女性向けポータルサイトの運営 |
| コーポレートサイト: | http://www.ai-land.co.jp/company/index.htm |
| 運営サイト: | 朝時間.jp http://www.asajikan.jp/ レシピブログ http://www.recipe-blog.jp/ おとりよせネット http://www.otoriyose.net/ |
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.linkshare.ne.jp/cgi-bin/mt4/mt-tb.cgi/227