リンクシェア スペシャルインタビュー

インターネットで小売りをやろう- インターネット黎明期に産声を上げた新ビジネス 今後の戦略と方向性にしゃちょーにせまった

*セブンアンドワイ株式会社は2009年12月に社名を株式会社セブンネットショッピングに変更しました。

社長室に壁一面の大きな本棚を構え、大量の本に囲まれた仕事環境。並べられるのはビジネス書や歴史書、最近発売の雑誌からスタジオジブリのキャラクター本までと幅広く、自他共に認める本好きをうかがわせる。そんな鈴木氏、意外にも出身は理系である。

花崎

大学卒業後は、富士通でSEになられていますよね?なぜ、SEになろうと思われたんでしょうか?

鈴木氏:

小さい頃から鉄腕アトムやマジンガーゼットに親しむなど、もともと機械やロボットといったものに強い興味を持っていたんです。

花崎

アトム・マジンガーZですかっ!私はそこまで好きではなかったんですけど、男の子はあこがれますよね?

鈴木社長は花崎とはほぼ同世代だが、鈴木氏は理系で花崎は文系。

学生時代にコンピュータに興味をもち、そしてSEの道へ

鈴木氏:

さらに高校時代に兄にすすめられたアルビン・トフラーの『第三の波』を読み、情報化社会に興味を持って、大学は武蔵工大へと進むことにしました。

大学ではコンピュータを使った情報処理の授業も多く、コンピュータに興味を持った鈴木氏はシステム会社に行こうと考えた。当時の大手は日本IBM、NEC、そして富士通。

鈴木氏:

就職情報誌に富士通が『業界の暴れん坊』と書かれていたんですよ。瞬間的に『もう、ここだ』という感じでしたね(笑)

しかしいざ富士通に入社すると、会社としてはどうも鈴木氏を営業に進ませたがっている様子。どうしてもSEになりたかった鈴木氏は、ここで一計を案じる。

鈴木氏:

当時のシステムの主流は製造業と金融と公共関係でした。人気システムになると『営業に飛ばされるのでは?』という危惧もあり、当時あまり人気のなかった流通系のSEを選びました。

花崎

その着想がそもそもユニークですね(笑)。入社されてどのようなお仕事に携わっていたのでしょうか?

鈴木氏:

まずは卸のシステム。そして小売のシステム、主に小さい専門店でPOSの導入推進をしていました。ちょうどその頃は昭和から平成への元号改正、そして消費税導入と、流通系システムを安定的に稼動させるには非常に大きなイベントが立て続けにありました。人生で一番忙しかった時期ですね。

29歳でシンガポールへ。インドの開発拠点に単身乗り込むことも。

その後、29歳の時に上司に持ちかけられたのをきっかけに、シンガポールでアジア各国の百貨店を相手にシステムを担当。開発会社がインドにあったため、ムンバイより車で5時間ほどの開発拠点へ単身乗り込むことも。

鈴木氏:

そこで東洋人は自分ひとりじゃないかなって言うくらいのところでしたね。お腹はこわすし、高熱でホテルで寝込んだり、現地の従業員との衝突もしょっちゅうありましたよ。それで一緒にカラオケして仲直り、といった具合です。面白かったので、あまり苦い思い出にはなっていないですね(笑)

花崎

その後、31歳でソフトバンクに移られていますね。

孫氏との出逢い。いつのまにか転職することに...

鈴木氏:

まだ駐在の身であったころに、知り合いに『孫さんって知っている?』と聞かれたんです。正直、当時日本にいなかったこともあって存じ上げなかったのですが、面白い人だから会ってみない?の一言で会うことになりました。人形町の今半で、歴史の話、特に坂本竜馬の話をして、大いに盛り上がりました。帰りがけに手を差し出されて握手をしたら、転職することになっていたんです。

花崎

一時帰国の最中だったにもかかわらずですか?

鈴木氏:

その後、半年間は富士通での業務が残っていたのですが、その間に海の向こうでもソフトバンクによるYahoo!への出資話などのニュースを耳にしていました。この会社に行くんだ、と驚いたのを覚えていますね。

SEというバックグラウンドから、営業への転身

そのソフトバンクでは、ソフトウェアの卸の営業課長代理で入社する。

花崎

鈴木さんご自身から営業を希望されたそうですが、SEというバックグラウンドを捨て、営業の道に進もうと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

鈴木氏:

一つは、10年間SEを続けて一区切りができたと思い、自分の領域を広げようと思ったこと。もう一つはシステムは作っているのは楽しかったのですが、一度納品すると人様のものになって手を離れる。何となく寂しい気持ちにもなるというのがありました。

しかしいざ営業へ配属されると、教えられたのは40の顧客の連絡先のみ。引継ぎ3日間で挨拶回りを済ませるが、もともと営業経験のない鈴木氏は、何をしたらよいかわからない。思案した結果、クライアントの先にいる顧客の提案書を手伝おうと思い立つ。ここにも鈴木氏の顧客視点が生かされる。

鈴木氏:

さらに、当時の受発注は電話ベース。これは双方にとって面倒だと思ったのでオンラインでできないかと考え、自分で設計図を書いて情報システム部に持っていきました。

花崎

オンラインといっても、当時はインターネットではないですよね?ずいぶんとアグレッシブですね(笑)。

インターネットで小売りをやろう!」自然な流れで...

こうして「今で言うソリューション営業」(鈴木氏)を体現していた矢先に、ソフトバンクの孫氏のとある話に興味を持つことに。

鈴木氏:

ある社員集会で孫さんがみかん箱(※)の上にたち、『Yahoo!も好調な滑り出しを切り、これからソフトバンクはインターネットに資源を集中していく。何かあればアイデアを持ってきなさい』というようなことをおっしゃったんです。

花崎

その言葉に触発されて、イー・ショッピング・ブックスを立ち上げられたと?

鈴木氏:

もともと、富士通でPOS関連の仕事をしていたし、ソフトバンクもソフトウェアの卸です。自然な流れで「インターネットで小売をやろう」となったんですよね。それも、自分の好きな本を売ろう、そう決めたんです

コンビニ支払のコンビニ受け取りという新しいモデル

早速、企画書に落とし込むも、インターネットで本を売るには在庫・集客・決済のシステムが必要。これらの問題を解決するため、鈴木氏は持ち前の行動力で、在庫:トーハン、集客:Yahoo!に出資を仰ぐことに決める。そして最大の問題は決済システム。当時インターネットでのカード決済はまだ怖いとの認識が大半を覆うような時代だったことを念頭に、ふとコンビニの公共料金「決済」を思いつく。

鈴木氏:

でもどうせコンビニに出向いて支払うのならば、お客様はその場で受け取れたほうが便利なんじゃないかな。そう思って今のモデルを考えたんです。

花崎

では、このビジネスは、開始当初からコンビニ支払いのコンビニ受け取りがコンセプトだったんですね?

鈴木氏:

そうだったんですが、問題はそのコンビニです(苦笑)。父がセブン-イレブンにいましたが、もともと独立心旺盛な家族だったので、これまでお互いの仕事に立ち入ることはなかったんです。だから少し敬遠していたんですよね。

花崎

見方によっては究極的に活かせる『つながり』ですけどね?(笑)

鈴木氏:

いやぁ、何か嫌でしたよ(笑)。でも、そこはビジネスですからやはり業界ナンバーワンがいいな、と。たまたま知り合いのセブン-イレブンの情報システムの方に連絡をしてみました。すると1ヵ月後に父から『お前は一体、何の仕事しているんだ?』と電話がありました(苦笑)。事情を話し検討してもらい出資もしてもらえることになりました

投稿者: リンクシェア 日時: 2009年2月13日 17:20 パーマリンク
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