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ケラチンとは?髪・爪・皮膚をつくるタンパク質の基本をやさしく整理

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「ケラチンとは?髪・爪・皮膚をつくる」の見出しと、空を見上げて微笑む女性。下部に髪、爪、皮膚を示す3つの円形写真が並ぶ。

ケラチンは、髪・爪・皮膚の構造をつくる、丈夫な繊維状のタンパク質です。

皮膚の表皮にあるケラチノサイト(角化細胞)という細胞の中で、細胞の骨組みのような役割を担っています。

この記事では、ケラチンが体のどこにどんな形で存在するのか、コラーゲンとは何が違うのかを順に整理します。

この記事の要点

ケラチンは1種類ではなく、複数の種類が集まった「タンパク質のグループ」です。皮膚・髪・爪の細胞の骨組みになり、外からの摩擦や刺激に耐える強さを支えています。

コラーゲンは主に皮膚の真皮など結合組織にあるタンパク質で、ケラチンとは存在する場所が異なります。

目次

ケラチンとは何か

アミノ酸が鎖状につながったケラチン分子が、ケラチノサイトの骨組みとなり皮膚・髪・爪を構成する流れと、似た性質を持つ複数のタンパク質の集まりであることを示した図。

ケラチンは、丈夫で繊維状のタンパク質のグループの総称です。ケラチノサイトという細胞の構造的な骨組みをつくり、このケラチノサイトが皮膚・髪・爪を構成しています。

「タンパク質の一種」と言われるのは、ケラチンがアミノ酸がつながってできた分子だからです。ケラチンの分子は、数万から数十万という分子量で鎖状につながっているとされています。

ここでの「ケラチン」は、特定の1つの分子ではなく、似た性質を持つ複数のタンパク質の集まりを指すと考えると分かりやすくなります。

ケラチンは体のどこにあるのか

皮膚のケラチン

基底層で生まれた細胞が押し上げられて角層細胞になる過程と、ケラチンを抱える核のない角層細胞、ほこりや菌を防ぎ水分の蒸散を抑える角層のバリア機能を示した図。

皮膚の一番外側にある表皮では、ケラチノサイトがケラチンをつくります。

表皮の基底層では細胞分裂によって毎日新しいケラチノサイトが生まれ、後から分裂する細胞に押し上げられて角層に達し、角層細胞に変化します。角層細胞は核のない細胞で、内部にケラチンという線維状のタンパク質を大量に抱えています。

表皮の最表面にある角層は、外部からほこりや菌などの刺激が体内に入るのを防ぎ、体の水分が過剰に蒸散するのを防ぐバリア機能を持ちます。

ケラチンを抱えた角層細胞が重なることで、この薄い層ができています。

髪のケラチン

髪の断面をキューティクル、コルテックス、メデュラに分けて示し、コルテックスの繊維状の束の拡大図と、ケラチン・脂質・メラニン色素などの構成成分、シスチンが多いタンパク質の特徴を並べた図。

髪は、外側からキューティクル、コルテックス、メデュラの3つの部分でできています。

花王のヘアケアサイトによると、髪の化学的な構成成分はケラチンと呼ばれる繊維状タンパク質を中心とするタンパク質が主成分で、残りは脂質やメラニン色素などです。また毛髪のタンパク質は、シスチンというアミノ酸が多いのが特徴とされています。

髪の85〜90%を占めるコルテックスは、繊維状の束とそれを取り巻く構造でできています。この部分のタンパク質・脂質の構造や水分量が、髪の柔軟性や太さに影響するとされています。

爪のケラチン

皮膚の表皮にあるケラチノサイトからケラチンがつくられ、そのケラチンが皮膚、髪、爪の構造につながることを矢印で示した図。

爪も、皮膚や髪と同じくケラチノサイトがつくる構造の一つです。皮膚の表皮にあるケラチノサイトはケラチンをつくり、このケラチンが皮膚・髪・爪の構造の大部分を占めています。

ケラチンが「強さ」を生むしくみ

ケラチンは単独ではたらくのではなく、別のケラチンと組み合わさって「中間径フィラメント」という繊維状の構造をつくります。たとえばケラチン1というタンパク質は、ケラチン9またはケラチン10と対になってこの構造をつくります。

このフィラメントが集まって強い網目状のネットワークになり、皮膚に強さと弾力を与え、摩擦などの日常的な物理的ストレスから皮膚を守ります。ケラチンのつくる網目が、細胞を守る骨組みとして働いているイメージです。

ケラチンの役割が分かる例

遺伝子の変化でケラチンの網目が弱くなると、皮膚の細胞がもろくなり、摩擦などで水ぶくれができやすくなる皮膚の病気があることが知られています。

これはケラチンが皮膚の強さを支えていることを示す例ですが、気になる症状がある場合は医療機関に相談してください。

皮膚の中でケラチンはどう変化していくのか

表皮の断面図。基底層で生まれたケラチノサイトが矢印の方向に押し上げられながら変化し、角層から自然にはがれ落ちる。下部に角化(ターンオーバー)が約4週間以上の周期で繰り返されると示されている。

表皮では、基底層で生まれたケラチノサイトが押し上げられながら変化し、やがて角層から自然にはがれ落ちます。

この営みは角化、またはターンオーバーと呼ばれ、基底層で新しいケラチノサイトが生まれてからはがれ落ちるまで、およそ4週間以上の周期で繰り返されると説明されています。

ケラチンとコラーゲンの違い

皮膚の断面図で、表皮にケラチン、真皮にコラーゲンがあることを示し、下の比較表で主な場所、つくる細胞、皮膚での役割の違いをイラストと文字で並べた図。

どちらも皮膚にあるタンパク質ですが、存在する場所と役割が異なります。

ケラチンは表皮のケラチノサイトの内部にあり、皮膚・髪・爪の構造をつくります。

一方コラーゲンは、皮膚の深い層である真皮を支えるタンパク質で、線維芽細胞によってつくられます。

スクロールできます
比較項目ケラチンコラーゲン
主な場所表皮(ケラチノサイトの内部)、髪、爪真皮などの結合組織
つくる細胞ケラチノサイト線維芽細胞
皮膚での役割細胞の骨組みとなり、外部からの刺激に耐える強さを支える真皮を支え、表皮に耐久性を与える
皮膚に関するケラチンとコラーゲンの比較(皮膚の層に注目した整理)

ケラチンの研究と利用の広がり

ケラチンは体の構造材料としてだけでなく、研究の素材としても注目されています。

シンガポールの南洋理工大学の研究チームは、美容院で集めた髪の毛から抽出したケラチンを使い、水耕栽培用の基材を開発しました。この基材はケラチン単独では強度が足りないため、針葉樹パルプ由来のセルロース繊維と混ぜて強化しています。

また筑波大学の研究チームは、羊毛由来の水溶性酸化ケラチンを微小な球体ゲルにして、毛を剃ったマウスに塗る実験を行いました。この実験では、水のみを塗ったマウスより毛が早く生え始めたと報告されています。ただしこれはマウスでの結果で、メカニズムも今後検証される段階です。

人での効果や、市販のケラチン配合製品の効果とは別の話ですので、混同しないよう注意してください。

よくある疑問

ケラチンは1種類のタンパク質ですか?

いいえ。ケラチンは、丈夫で繊維状のタンパク質の「グループ」を指す言葉です。たとえばケラチン1、ケラチン9、ケラチン10のように番号で区別される複数の種類があり、組み合わさって繊維状の構造をつくります。

髪の毛の中にケラチン以外の成分はありますか?

あります。花王のヘアケアサイトでは、髪はケラチンを中心とするタンパク質が主成分で、残りは脂質やメラニン色素などと説明されています。

まとめ

ケラチンは、皮膚・髪・爪の細胞の骨組みとなる、丈夫な繊維状のタンパク質グループです。

表皮ではケラチノサイトがつくり、角層細胞の内部に大量に含まれてバリア機能を支えます。髪ではケラチンを中心とするタンパク質が主成分です。

コラーゲンは主に真皮にあるタンパク質で、表皮のケラチンとは場所も役割も異なります。研究段階の話と日常のケアの話は分けて受け止めると、情報に振り回されにくくなります。

参考資料

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