
「日光浴」という言葉を聞くと、日なたで肌を焼くイメージを持つ方もいれば、赤ちゃんには危ないのではと心配になる方もいるかもしれません。
一方で、紫外線の浴びすぎは日焼けにつながるため、子どもの外遊びでは「浴びる」と「守る」のバランスが大切になります。
この記事では、日光浴の意味、外気浴との違い、赤ちゃんや子どもの外出で気をつけたい点を整理します。
日光浴は、ビタミンD合成に必要な紫外線を適度に浴びることです。
赤ちゃんの外気浴は直射日光を浴びる日光浴とは区別され、日差しに当たらずに行うものとして紹介されています。
強い紫外線の時間帯は外遊びを短めにし、帽子・日陰・衣類で守りながら、熱中症にも注意しましょう。
日光浴とは何か

ビタミンDは小腸でのカルシウムやリンの吸収を促し、骨の健康に欠かせない栄養素です。食事だけで十分にとるのは難しく、体内でもつくり出す必要があると解説されています。
紫外線には波長の違いでUV-A、UV-B、UV-Cの区分があり、ビタミンDの合成に必要なのはUV-Bです。同じUV-Bは、皮膚が赤くなる炎症の原因にもなります。
なお、紫外線はガラスで遮られるため、窓ガラス越しに光を浴びていてもビタミンDは合成されません。「窓辺で日なたぼっこをしているから大丈夫」とは言えない点は、初めての方がつまずきやすいところです。
なぜ今「日光浴」が見直されているのか

その一方で、日本でも若い女性を中心にビタミンD不足の人が増えていると、国立環境研究所の研究者が述べています。
子どもに関しては、ビタミンDが不足すると、くる病という骨の病気になると説明されています。
国立環境研究所の研究者は、くる病が増えている背景に、妊婦のビタミンD不足や生まれた子どもの日光浴不足が影響していると考えられると述べています。
ただし、この点は研究が進行中の段階として語られているため、日光浴が不足を直ちに解決する、といった単純な話ではありません。
日光浴と外気浴は何が違うのか

赤ちゃんの外出で目にする「外気浴」は、日光浴とは別のものとして紹介されています。
| 項目 | 日光浴 | 外気浴 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 紫外線を浴びて皮膚でビタミンDを合成する | 外の空気や光に触れさせる |
| 直射日光 | 浴びることを想定 | 当てずに行うものとされる |
| 時間帯 | 季節・地域に応じて検討される | 晴れた日の過ごしやすい時間帯 |
外気浴の進め方は段階的です。生後3週間ごろから、室内で窓を開けて1〜2分程度から始め、生後1カ月ごろに外の空気に慣れたらベランダや庭へ出て5分程度から行う、という例が示されています。
1カ月健診で体調に問題がなければ、お散歩を1日数分程度から始めて少しずつ延ばします。赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、徐々に慣らすことがポイントです。
赤ちゃんの紫外線対策で気をつけたいこと

船橋市は、赤ちゃんの頃から強い日焼けをしないよう注意することが、生涯健康で過ごすために大切だと案内しています。
紫外線をたくさん浴びると将来シワ・シミ・目の病気・皮膚がんを起こしやすいといわれるためです。曇りの日でも注意が必要で、紫外線は4月から9月、特に午前10時から午後2時が強くなるとされています。
具体的な対策として、つばのある帽子、肌の露出が少ない衣類、日陰を選んだ遊び、ベビーカーの幌を下ろす、日焼け止めの使用が挙げられています。
風についても、赤ちゃんは皮膚が薄く体温調節が未熟なため、強い風が直接当たらないようにし、風の強い日はベランダや庭までにする、お休みにするなど柔軟に判断するよう案内されています。
子どもの外遊びの時間帯と日焼け止めの考え方

堺市の保健師による案内では、紫外線量が最も多い時期は5月から8月とされ、10時から14時頃の4時間で1日の紫外線量の約60〜70%が降り注ぐと言われています。
晴れの日を100%とすると、くもりの日は約60〜80%、雨の日は約30〜50%です。そのため、10時から14時頃の外遊びは短めにして、日陰や屋根のある場所を選ぶことが勧められています。
子ども向けの日焼け止めについては、石鹸で落とせる低刺激性のものを選び、日常生活ではSPF15から20、PA++程度の防止効果が高すぎないものを選ぶと案内されています。
使うときは、初めてのものは二の腕や太ももに少量塗って試し、手のひらでまんべんなく塗り、2〜3時間おきに塗り直します。
落とし残しは肌トラブルの原因になることがあるため、濡れタオルやシャワーで丁寧に落とします。
日焼け止めの種類や剤型の違いを知りたい場合は、関連記事も参考になります。

日光を浴びる量の目安はあるのか

国立環境研究所の研究者は、必要なビタミンDを合成するために浴びる時間は、場所や季節によって異なると説明しています。
同じ研究者は、日焼け(紅斑)を生じさせない範囲で浴びるのが適切だとして、長そでシャツ・長ズボンで手と顔を出している場合、関東地域の5月から8月なら10分以上30分以下、12月から2月なら40分以上2時間以下がおすすめだと述べています。
ただし、これは研究者による計算に基づく例で、欧米人のデータをもとに日本人向けに工夫した推計であり、子ども向けの基準として示されたものではありません。
外遊びでは熱中症にも注意

夏の外遊びでは、紫外線と同時に熱中症への配慮も欠かせません。
厚生労働省は、こどもは体温の調節能力が十分に発達していないので気を配る必要があるとしています。
環境省は紫外線保健指導マニュアルや熱中症保健指導マニュアルを作成し、国立環境研究所の紫外線観測サイトでは測定値が提供されています。外出前にこうした情報を確認する方法もあります。
外出前の確認手順
- お子さんの月齢を確認する(生後3カ月ごろまでは長時間の紫外線を避ける工夫が勧められています)
- 時間帯を選ぶ(10時から14時頃は紫外線が強いため、外遊びは短めにします)
- 日陰・帽子・衣類・ベビーカーの幌で紫外線を防ぐ
- 日焼け止めを使う場合は、子ども用で低刺激のものを少量試してから使う
- 水分補給と休憩の時間を決め、機嫌や体調がいつもと違えば無理をしない
まとめ
日光浴は、ビタミンD合成に必要な紫外線を適度に浴びることで、赤ちゃんの外気浴とは区別されます。
紫外線は必要な面と注意したい面があり、強い時間帯を避け、帽子・日陰・衣類で守りつつ、熱中症対策も併せて行うのが基本です。
浴びる時間の具体的な目安は地域や季節で変わるため、お子さんの月齢や体調を優先し、迷うときは健診や自治体の保健師などに相談してください。
