
この記事では、家庭の食事、外食、コンビニのそれぞれで無理なく続けるコツを、初めての方向けに順を追って説明します。
完璧を目指す必要はありません。野菜が少ない日があっても、「できる日だけ、できる形で」続けることが大切です。まずは、次の要点を押さえてください。
- 最初に野菜料理を食べ、その後に肉・魚・卵、最後にごはんの順で食べる。
- 野菜の目安は1日350g以上、野菜料理1皿は約70gで、1日5〜6皿が目安。
- サラダだけでなく、加熱野菜、汁物、冷凍野菜も使える。
- 外食やコンビニは「野菜の一品を足す」だけでも始められる。
- 腎機能が低下してカリウム制限が必要な方、糖尿病の治療中の方、食欲がない高齢の方などは、事前に主治医へ相談する。
YouTubeでも解説していますので参考にして見てくださいね!

監修者
銀座アイグラッドクリニック 院長
乾 雅人(紹介ページ)
2010年、東京大学医学部卒業。同大学附属病院で初期臨床研修、外科専門研修を修了。同大学大学院では外科学(呼吸器外科)を専攻し、肺移植領域の研究に従事。2020年、銀座アイグラッドクリニックを開業。臨床行為に従事する傍ら、医療コンサルティング会社も経営。総合病院や製薬会社、保険会社、会計事務所などの業務を補佐し、医療の社会問題化と向き合っている。NMNの上位互換である5デアザフラビン(TND1128)臨床研究の第一人者でもあり、眠れる知財の普及に尽力している。
ベジファーストとは?基本の食べ方と順番
ベジファーストは「野菜から食べ始める」食べ方です。
福島県のページでは、サラダや野菜の小鉢を食べてからメインの料理に進む例や、丼や麺類のトッピング・具の野菜から食べ始める例が示されています。
基本の順番は「野菜→おかず→ごはん」

家庭の定食スタイルなら、次の順が基本です。
- サラダ、お浸し、煮物、野菜の小鉢など、野菜料理から食べる
- 肉・魚・卵などのおかずを食べる
- 最後にごはんなどの主食を食べる
野菜に多い食物繊維は、満腹感を得やすくし、糖の吸収を穏やかにするとされています。
蒲郡市の保健センターは、この順番で食べると血糖値の上昇を防げると説明しています。

よく噛んで食べると続けやすい
野菜は食物繊維が豊富でしっかり噛む必要があり、噛むことで満腹中枢が刺激されて食べすぎ防止につながるとされています。
蒲郡市は「一口30回噛む」ことを心がけるよう勧めています。回数を数えるのが難しければ、まず「野菜をゆっくり食べる」ところから始めるとよいでしょう。
自治体のページでは、ベジファーストは血糖上昇を緩やかにし、食べ過ぎや生活習慣病の予防が期待できる方法として紹介されています。
ただし、これは食事全体を整える工夫の一つです。これだけで病気を防げる、体型が変わると断定できるものではありません。
野菜はどのくらい必要?量と種類の目安
野菜の摂取目標は1日350g以上です。
厚生労働省の国民健康・栄養調査(2023年)では、20歳以上の1日あたり野菜摂取量の平均は256gで、目標に届いていません。
「1皿約70g」で数える

量をグラムで量るのは大変です。
e-ヘルスネットでは、一般的な野菜料理1皿に約70gの野菜が含まれるとして、1回の食事で野菜を主材料にした料理を1皿以上、1日5〜6皿を目安にするよう案内しています。
今の食事に足りない分も、大和市は「毎日プラス1皿の野菜」を呼びかけています。東京都も、現状よりあと1皿分(70g)が必要としています。いきなり5皿を目指さず、「いつもの食事に1皿足す」ところから始めても十分です。
生野菜だけにこだわらなくてよい

サラダなどの生野菜と加熱した野菜をバランスよくとること、また色の濃い緑黄色野菜、淡色野菜、根菜類など種類を組み合わせることが大切です。
葉物野菜は電子レンジで加熱したりゆでたりするとかさが減り、食べやすくなります。
東京くらしWEBでも、野菜はサラダだけでなく、加熱した野菜、スープの具、冷凍野菜、惣菜の野菜も含まれると説明されています。
「生野菜を用意しなければ」と思うとハードルが上がるため、この考え方が続けやすさにつながります。
家庭の食事で取り入れるコツ
野菜が手に取りやすい環境をつくる
東京都のページでは、無理なく350g以上を目指すコツとして、野菜を使った常備菜の作り置きや冷凍野菜の活用など、野菜がとりやすい環境を整えることが挙げられています。
- お浸しや煮物などの常備菜を、食卓に最初に出しておく
- 冷凍野菜やカット野菜を常備し、下処理の手間を省く
- みそ汁やスープに野菜をたっぷり入れ、汁物の具から食べ始める
- 野菜は煮たり炒めたりして、かさを減らして量を食べやすくする
具だくさんの汁物は、塩分を抑えるのにも役立つとされています。
ただし汁そのものの塩分には注意が必要なので、具を中心に食べるとよいでしょう。
調味料の使いすぎに注意
野菜を350g以上とっている人は、食塩の摂取量も多い傾向があると報告されています。
ドレッシングをかけすぎず、こしょうなどの香辛料やレモンなどの柑橘類を使う、減塩の調味料を選ぶといった工夫が紹介されています。
外食でのやり方
外食では、野菜が彩り程度しか入っていないことも珍しくありません。「野菜も入っているから大丈夫」と思っていても、量が足りていない場合があります。
- 野菜料理が豊富な定食や弁当を選ぶ
- あと1品、野菜料理(サラダ、お浸し、野菜の小鉢など)を追加する
- 丼や麺類は、トッピングや具の野菜から食べ始める
- 牛丼のように主食とおかずが一体のものは、サラダなどの一品を足す
- 麺類のスープは残すなど、塩分を減らす工夫もあわせて行う
東京都は、調理をしない方が外食や弁当・惣菜を選ぶ際に、野菜料理が豊富な定食や弁当を選ぶか、あと1品野菜料理を選ぶことを勧めています。
また福島県は、麺類のスープを残すことが減塩につながる例として挙げています。
コンビニ・弁当・インスタント食品での工夫

コンビニでは、いつもの組み合わせに野菜系の惣菜やスープを1品足すだけで構いません。
主食と主菜がそろっていれば、そこに野菜を少し足すだけでバランスが整うとされます。
量が少なくても、野菜を「ゼロから1」にすることに意味があります。
手を動かさず野菜を足す方法
- カップ麺やレトルト食品に冷凍野菜やカット野菜を加える
- 買ってきた弁当や惣菜に野菜を少し添える
- ちぎって和えるだけのサラダを作る
- 洗って電子レンジで加熱した野菜を、インスタントスープや味噌汁に加える
冷凍野菜やカット野菜は下処理が要らず、電子レンジで温めるだけで使えると紹介されています。
カップ麺をスープ代わりにしておにぎりを食べるような組み合わせでは野菜やたんぱく質が不足しがちなので、おかずを組み合わせる、サラダやゆで卵を足すなどの選び方が有効です。
野菜ジュースは、食事に野菜をとり入れるのが難しい場合の補助として使えます。
選ぶなら「100%野菜」「いろいろな種類の野菜入り」「糖類・食塩無添加」が目安ですが、野菜を食べたときと全く同じではなく、これだけに頼らないことが勧められています。

忙しい日・続けられない日の考え方

野菜は毎食たっぷりとらなければならないわけではなく、「1日の中で少しずつ補う」という考え方でも十分です。
朝が難しい日は昼や夕食で多めにとるなど、調整して構いません。
ただし、夕食は野菜を食べている人が多い一方で、朝食や昼食で不足しがちだという指摘もあります。毎食野菜を取り入れれば、ベジファーストも毎食実行できます。
まずは朝か昼のどちらか1食から「野菜を最初に一口」を試すのが現実的です。
始める前に知っておきたい注意点
ベジファーストが合わない方もいます。
福島県のページでは、腎機能が低下してカリウム制限が必要な方、糖尿病の治療中の方は主治医の指示を仰ぐこと、食欲がない、または低栄養が心配な高齢の方には適さない場合があることが注意されています。
また、東京都は、サプリメントなどにむやみに頼ると栄養素のとり過ぎになることがあると注意しています。
野菜はいろいろな種類を食事からとることが基本です。
よくある疑問
まとめ
ベジファーストは、食事の最初に野菜料理を食べ、その後におかず、最後にごはんと進める手軽な方法です。
野菜は1日350g以上、1皿約70gで5〜6皿が目安ですが、最初は「毎食、野菜をひと皿足す」から始めれば十分です。
家庭では常備菜や冷凍野菜、外食では野菜の一品を追加、コンビニでは惣菜やスープを足すなど、場面ごとに「選びやすい形」を決めておくと続けやすくなります。
持病がある方や高齢で食欲が落ちている方は、始める前に主治医へ相談してください。
